NEWS 神戸市三宮周辺を対象にした避難シミュレーションの可視化高度化を実現 ~理化学研究所の研究成果を政策検討に活用する取り組みを支援~ 2025-01-21

 株式会社リネア(以下、リネア)は、株式会社JSOL(以下、JSOL)および株式会社理研数理(以下、理研数理)との協業体制で、国立研究開発法人理化学研究所(以下、理化学研究所)からの委託を受け、避難シミュレーションの可視化高度化を実現しました。本委託事業は、兵庫県、神戸市による支援のもと、計算科学振興財団が運営する研究教育拠点(COE)形成推進事業による助成を受けたものです。
 具体的には、理化学研究所の研究成果に基づき、神戸市三宮周辺を対象にした数万人規模の歩行者の避難シミュレーション、および3D都市モデル上に歩行者が避難する様子について高度に可視化しました。これにより、理化学研究所の研究成果を都市計画などの政策検討に活用し地域に還元する取り組みを支援するとともに、一般市民をはじめとする非専門家でも、安全な避難状況と危険な避難状況の違いを視覚的にイメージできるよう貢献します。

 理化学研究所 計算科学研究センター 離散事象シミュレーション研究チームでは、Society5.0・デジタルツイン社会実証研究として、神戸市三宮周辺の交通・人流シミュレーションを進められています。その中で、シミュレーション結果を専門家ではない方々にも分かりやすく提示するべく、メタバース技術の活用も視野に入れ、可視化の高度化を検討されていました。その一環として、理研数理にシミュレーション結果の可視化を委託されました。
 リネアおよびJSOL、理研数理は三宮駅周辺の避難人流をシミュレートし、3D都市モデル等のデジタル技術を用いて可視化しました。シミュレーションケースとしては、避難誘導を行わず一斉に避難を開始したケースと、事前に策定した避難誘導方針に従って避難したケースの2パターンを実施しました。そのシミュレーション結果から、避難状況の違いが典型的に表れる地点を選び、同じ時間帯での避難状況を比較することで、対策の有効性を非専門家でも視覚的に実感をできるような可視化を実現しました。

 本シミュレーションを可視化した画像については、神戸市と株式会社NTTドコモ、理化学研究所 計算科学研究センターが、阪神・淡路大震災の発生から30年の節目となる2025年1月17日に発表された『「都市計画や防災計画に資する、「富岳」を活用したデジタルツインシミュレーション」』の進捗と成果の中でも、参考情報として引用されています。